ミチカの引越し人生〜旅するようにおひっこし

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秋田市の小中学校に通って実感!秋田の学力が高い理由

      2023/03/13

 

東京から引越してびっくり! 秋田の学力の高さ

2007年から日本全国の小・中学校最高学年(小学6年生、中学3年生)を対象として行われている、通称「全国学力テスト」

近年は石川や福井などの北陸勢にトップを奪われることもありますが、当初は秋田県が首位を独走する結果が注目を集めました。

2022年実施のテストでも、小学校の国語と理科、中学校の国語が全国一位と、トップクラスを維持しています。

2022年のトップ3は石川・秋田・福井で、この3県には「記述問題への強さ」という共通点があるそうです。

なぜこのような差が生まれるのでしょうか?

実は私ミチカ、幼少の頃に東京から秋田市に引越し、市内の小・中学校を卒業しています。

当然この学力テストが開始される前のお話ですが、当時から秋田の小学生の学力の高さは有名でした。

今回は、「秋田の子どもたちはなぜ学力が高いのか」という疑問に、「経験者だからこそ実感する答え」を示したいと思います。

 

1.自主性を育む「家庭学習」の習慣

多少なりともこの話題について調べたことがある方なら、「家庭学習」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

秋田の子どもたちの通塾率はかなり低いです。

私自身も兄弟も塾に行ったことはありませんし、クラスにも塾に通っている子はほとんどいませんでした。

ではどこで勉強しているかと言えば、文字通り家庭で学習しています

さっそく「専業主婦でもないのに無理~!」とか「自営業でそれどころではない!」などと思われたなら、それは少々早とちりです。

どんな家庭でも、どんな家業でも、関係ありません。

親に関係なく、子どもが自主的に行うのが家庭学習なのです。

 

秋田の学校で実践!「家庭学習」ってどんなシステム?

私は秋田市の小学校で「家庭学習ノート」なるものを用意させられ、ワクワクした記憶があります。

なぜなら、このノートに学習する内容は、科目も単元も分量も教材も、すべて自主的に決められるから。

好きなだけやりたい科目について勉強し、翌日の朝に担任の先生に提出する決まりです。

先生はチェックしたあとにコメントを書いてくれるので、それも楽しみでした。

宿題は別にあるので、「家庭学習」とはつまり、自主学習です。

 

私はたいてい、宿題を終わらせてから家庭学習に入りました。

国語・算数・理科・社会、今なら英語、もちろんそれ以外の音楽などでも構いません。

好きな科目の好きな部分、あるいは苦手だから自分に必要と判断した部分を勉強します。

教科書を自分なりにまとめてもいいし、漢字・計算ドリルをこなしてもいい。各家庭で用意した問題集を解いてもいいし、テストで間違えたところを復習してもいい。

自分に必要なことを自分で考えて学習させるシステムなのです。

秋田の児童・生徒が「記述問題に強い」と聞いたとき、私は真っ先にこのシステムを思い出しました。

もちろん、塾に通っていも手厚いサポートはあるでしょう。でも塾では受け身の勉強になりがちです。

その点、「家庭学習」は100%能動的な勉強でした。

そして家庭学習を当然だと思って育った私は、再び秋田県外に引越してから、特にその恩恵を強く感じたものです。

 

というわけで、「家庭学習」のメリットをまとめると…

1)要領よく学習できるようになる!

家庭学習ノートの取り方は決まっていないので、それぞれに工夫し、やりやすい方法・分かりやすい方法を子ども自ら見つけていくことになります。もちろん、苦手な子には親や教師からのサポートもあり。

2)自主性が身に付く!

家庭学習は何しろ自由です。興味のある分野を各自どんどん掘り下げていいので、子どもたちは特技が見つけやすい。
料理が好きでよく家庭科の学習をしていた友人は、後にフランスに留学しパティシエとなり、様々な賞を受賞し活躍しています(実話)。

社会で必要とされるのは、自分の頭で考え、自主的に行動できる人材ですよね。家庭学習はその礎を作ってくれると感じました。

 

2.圧倒的量と質を求められる夏休み・冬休みの宿題

秋田の小学校では、長期休みの間もかなりの量の宿題が出され、計画的に勉強せざるを得ませんでした。

たとえば私の通った小学校では、長期休みごとに以下の内容は必須でした。

1.読書感想文
2.5科目一体型の夏休み帳(「夏休みの友」的なアレ)
3.漢字ドリル・計算ドリル(範囲を各数十ページ指定される)
4.図画or工作(とにかく何かを描くか作るかして、作品を提出する)
5.習字(渾身の一枚を提出する)
6.自由研究(「一人一研究」と呼び、テーマを決めて研究し、画用紙や模造紙にまとめて提出する)
7.絵日記(当然毎日分。高学年になると絵の欄はなくなる。)

以上全てを25日そこそこで終わらせなくてはならないので、当然毎日勉強することになります。

山のような量ですが、むしろ山登りを攻略するかのようなやりがいを覚えたものです。子ども心に「やってやるぜ!」と燃えましたね。

 

私の夏休みの典型的な一日のスケジュールは以下の通り。

ラジオ体操⇒朝ごはん⇒夏休みの宿題⇒外に遊びに行く⇒帰宅し夕飯の手伝い⇒テレビ⇒再び夏休みの宿題

なんて健全なんでしょう!

勉強時間はトータルで2時間程度だったと記憶していますが、毎日継続することで定着し、学力向上につながったのは間違いないと思います。

 

さて、休み明けにはこれらを先生方が評価し、特に優秀なものには賞が与えられました。金賞、銀賞、銅賞とあり、入賞しない作品も多々あります。

ゆとり教育時代に撤廃されたと聞きましたが、当時そこはシビアでした。

そしてすべての成果は学校内に展示され、保護者も見ることになります。金賞をとりたい一心で、子どもなりに何かと工夫したのを覚えています。

 

まとめ

以上のように、小学生の時点で勉強習慣を身につけさせ、一定量の学習を課すのが秋田県のやり方でした。

後に別の都道府県の大都会に引越したとき、「なぜここの子どもたちはこんなに勉強しないの!?」と驚愕した思い出も…。そしてその都道府県が学力テストで下位だと聞いて納得しました。勉強せずに学力がアップするわけありませんからね。

ですが、秋田の学力の高さは、決して勉強量だけに拠るものではないのもまた有名な話です。むしろ秋田の子どもたちの勉強時間は比較的短く、外でよく遊びます。

本当の秘訣は早寝・早起きしっかりした朝食だと言う説もあり。

健やかな学習環境は健やかな生活習慣から、とうことでしょう。

 

子どもにとって健やかさと自主性が大切なのはまちがいありません。

先日、東京で結婚した秋田出身の友人カップルが、子育ては絶対に秋田でしたいとUターンしました。気持ちはよく分かります。

学力と体力育成に力を入れ、成果がきちんと出ている秋田県。自然も豊かで、確かに子育てにはお勧めの地域です。

私の秋田の一番の記憶は冬の寒さですが、今思えば今のテーブルで「家庭学習」をしたのは大切な時間だったんだなあ…。

秋田の小・中学校で勉強の基礎ができたおかげで、高校では3年間ずっと部活漬けでも国立大に行けました。

 

「家庭学習」は、どこに住んでいても、各家庭でも採り入れられるシステムです。

しかも無料!

子どもが「やらされる学習」に嫌気がさす前に、週一からでも始めてみてはいかがでしょうか。

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