時間がない!急ぎの引越し・物件探しスケジュール
急ぎの引越しで何より大切なのは、充分な下調べと、不動産屋の担当者との密な連携プレーである。
そう確信したのが数年前、主人が大阪から東京に転勤になった時だ。
内示が出たのは5月末日、7月1日から異動のはずであった…当初の話では。
ところがその後すぐ研修のため東京に来るよう言われ、会社側は「ちょうどいいからこの期間に家探ししちゃいなよ。」と宣った。
だがちっとも「ちょうどよく」なんかない。
研修は月曜日。
有給をとって家探しをと言われたのは火・水曜日である。
木曜からは上司の出張に同行するため2日しかないと言うが…いや待ってくれ!
不動産業界は水曜が休みなのだが!!
1日しかない、と分かると腹をくくるものだ。
何が何でも1日で優良物件と契約するための作戦が始まった。
ネットでしておくべき最初の下調べ
この場合、「ねえねえ東京のどこに住んでみたい~?」「う~んそうだなあ…」などと悠長なやり取りはしていられない。
“住みたい場所”というよりは、合理的に考えて”住むべき場所”を探すことにした。
最初に私がしたのは、路線図とにらめっこしながらの、主人の通勤経路チェック。
そして候補エリアに挙がった街の住みやすさチェック。
実際に住んでいる人/住んだことのある人の口コミを片っ端から読み込んでいった。
そうして乗り換えの利便性と住環境のバランスを考えた結果、さらに地盤チェックを行った結果、候補地を中央線三鷹駅~武蔵小金井駅に絞り込んだ。
エリアが決まったら、具体的な物件探し
ネット上で物件をピックアップしていく作業は、引越しの過程で最も夢と妄想が広がりやすい楽しいパートだ。
だが急ぎの引越しにおいてそのような余裕はない。
注意点がいくつかあるので紹介する。
1.条件を広げ過ぎない!
候補物件が増えると選択の余地が増え、一見その方が良いように感じる。
だが内見で一日に見ることができる物件数は限られている。
私が実際、一日に内見できた物件の最大数は8。
もっと見られそうという印象を持つ方もいるかもしれないが、これが不動産屋の担当にとっても新記録だったそうだ。
信じられないくらい疲れ、夜は頭痛で動けなくなるほどだった。
あれもこれもと欲張ると絞り込みが甘くなり、選定にも内見にも余計な時間を割いてしまうので要注意。
2.エリアは絞り込んでおく!
物件同士のアクセスが悪いと移動に時間がかかり、当然の結果として内見可能な物件数は少なくなる。
沿線を絞り東から西に移動していったり、駅を決めてその徒歩10分圏内に絞ったりすると、要領良く回れる。
しかし物件そのものの条件だけに拘って、あっちの街に一つ、こっちの街に一つ、さらに向こうの街でも一軒見たい…などという探し方をしていると、当然ながら限られた時間内の引越は難しくなるだろう。
内見までに必ずしておきたいこと
効率よく回れるよう、事前に担当者と打ち合わせをしておくことが重要だ。
ほとんどの場合、不動産屋の営業車で移動することになると思う。
何より大切なのがルート確認。
事前に来店できればそこで、遠方で無理な場合はメールにマップを添付するなどして、最短ルートを共有しておく。
内見に関して一つだけ覚えておかなければならないことがある。
管理会社や大家の都合で、必ずしも希望日時通りに内見が可能とは限らない。
その場合は遠回りをしたり行って戻ったりする必要もあるので、やはり事前打ち合わせは早いうちに綿密にしておくべきなのだ。
また個人的な準備としては、家電や家具の設置場に計測が必要な場合、間取り図を見ながらメジャリングする箇所を予め決めておく。
これを行き当たりばったりでやっていては、回れる物件も回れずに終わってしまう。
管理会社などが閉まる17時か18時までには、全物件の内見を終えていなければならないことも考慮しよう。
メジャーを荷物に入れるのも忘れずに。
いよいよ内見!素早く見極めるポイントは?
一件にかける時間は15分以内が好ましい。
引越しのベテランともなると、実際は判断に10分も必要ない。
入った瞬間「うーん、ここはないな」と直感的に思うことがある。
直感は往々にして正しく覆ることはまずないので、無理やりその物件のプラスポイントを探すようなことはせず、速やかに次の物件に頭を切り替えよう。
時間制限のある引越しでは、切り捨ての早さも必要だ。
重視すべきポイントは人に拠るだろうが、必須なのは水回りの清潔さ。
ほかに私がしっかり見ておくのは、窓から見える景色と西日の入り方(夏は地獄になるので)、収納スペースの実用性、窓のさんの清掃具合などである。
冷蔵庫や洗濯機などの設置個所をメジャリングする場合は、テキパキと動きしっかりメモをとっておこう。
まとめ
急ぎの引越しスケジュールをざっとさらうと以下の通り。
ネットで下調べ
1.エリアと路線の絞り込み
2.候補物件の絞り込み
↓
不動産屋の担当と綿密な打ち合わせ
↓
内見
↓
契約
やろうと思えば一週間以内に完了させられる。
時間に追われる物件探し、できることなら御免蒙りたいが、転妻にはいつそのような場面が訪れるか分からない。
一番無駄なのはいつまでも「でも…」「だけど…」とネガティブワードばかり口にすることだ。
もちろん熟慮は必要だが、いったん決めたものを疑ったり否定したりし続けていては、進む話も進まない。
建設的な思考と潔い判断が何より求められる。
優柔不断を自覚している方には、なかなか難しい状況だと思う。
実際、決断力には自信のある自分でも、かなり追い込まれた。
そこで何より優先したのは主人の快適さである。
なにしろその家から毎日通勤していくのは夫であり、妻は後からいくらでも調整がきく。
それでも候補物件の最終絞り込みに悩んだら、直感を信じることである。
直感がGOサインを出すのにも、細かに分析すればちゃんと理由はあるのだ。
時間的余裕のない引越しはラクではないが、勢いで突き進まざるをえないぶん、大変な期間もまた短い。
スピードに乗りながら冷静さを見失わず、すぐにラクになれると思って頑張ってほしい。