「他人と住むということ」~ルームシェア歴15年!八幡君の体験談1
2023/03/07
ルームシェアの大ベテラン現る
私の友人に、ルームシェア歴15年の大ベテランがいます。
「恋人と長年一緒に暮らしている」とか「兄弟で住んでいる」といった、自然な成り行きの同棲・同居ではなく、一つの物件を赤の他人と共有する、近頃流行りの本格派ルームシェアです。
これまでにシェアした物件は計三つ、シェアメイトは計四人。
引越しをするごとに一緒に住む相手は変わっていますから、いくらでも一人暮らしをするチャンスはあったはずです。
にもかかわらずこの長い期間、居住空間を他人と共にしてきた彼。
一人が最高!なミチカにはとても考えられないことですが、きっと魅力やメリットが沢山あるのでしょう。
シェアハウスが人気の昨今、ルームシェアのプロとも言える彼の体験談は大いに役立つと思い、インタビューさせてもらいました。
名前は八幡(やはた)君。優しくて穏やか、よく気の付く人柄は、いかにもルームシェアに向いているように見えます。
むしろ優しすぎてストレスを被り過ぎていないか心配になるほどですが、いったいどんな15年だったのでしょうか?
リアルな声を、ぜひ参考にしていただければと思います。
八幡君のルームシェアヒストリー
―八幡君がずっと友だちと住んでいるのは知っていたけれど、まさか15年のプロフェッショナルとは。まずは今までのルームシェア歴を教えてください。
最初は学生時代で、寮から出て友だちの家に居候するかたちだった。池上のワンルームで、期間は半年。
―ルームシェアをしよう!という目的意識を持って始めたわけじゃないんだね。それから?
次は目白の2Kのアパートで、三人暮らしを2年。この時はオレから友だちを誘った。
その後一人が出て行って、二人暮らしをもう2年。だからここでは計4年かな。
―ちょっと待って! 2Kで三人暮らしって、一人に一部屋ないよね!?
うん。オレと友だちで一つの部屋を使ってた。
―それ、寝る時も一人じゃないってことでしょう? 文字通り一つのルームをシェア…2年間も! ストレスは溜まらなかった?
溜まった(笑) 最初はよくケンカしてたよ。
友だちは朝型、オレは夜型で、生活リズムが全く違うのね。で、睡眠の時間帯が異なると、どうしても一人が寝ている時にもう一人が活動することになる。休日がかぶると特に地獄で、こっちはまだ寝ているのに掃除機かけられてイライラしたり(笑)
―それは相手が恋人でもしんどいと思うけど…二人とも気が長いから続いたのかな?
どうかな、特にそうは思わない。でもお互いに寛容になるきっかけはあったよ。
彼がプライベートなことですごく悩んでいた時期があって、俺がアドバイスをしたのね。それが役に立ったみたいで、信頼が強くなったのを感じた。それからだね。
―関係性が変われば思いやりや許容範囲も変わるもんね。
その後は赤羽に引越して、また別の友だちと2Kに10年。
―10年!? もはや夫婦だね…
最近はシェアハウス自体が増えているそうですが、八幡君の場合は「複数入居可」のアパートやマンションに、気の置けない友人と一緒に暮らすパターンでした。
共に住んで初めて知る一面は当然あるでしょうが、最低限の安心は保障されています。
見ず知らずの人と住むよりも、信頼できる人と計画的に住んだ方が、先行きは見渡せますよね。
ルームシェアをしたいけれど、初対面の人と暮らすのはちょっと…そんな不安がある方にはこのパターンがいいかもしれません。
ルームシェア時の家賃と、それ以外のメリットは?
―ルームシェアのメリットと言えば、まずコストを抑えられることだよね?
間違いなく。家賃はもちろん、敷金・礼金や仲介手数料、NHK受信料やインターネット料金がすべて半額になるのは助かる。
―今までシェアしてきた部屋のだいたいの家賃を聞いてもいい? 等分した後の、個人の負担額。
うん。最初の物件は一人30,000円、次の所は42,000円で、三人暮らし時代は28,000円!
三つ目のところは37,500円だった。
―大田区→豊島区→北区と、全部23区内。コスト面のメリットはやっぱり大きいね!
そう。東京23区内に一人3~4万円台で部屋を借りられるのはルームシェアならではかな。
―ほかにはどんなメリットが挙げられるかな?
何か困ったり悩んだりした時に、オンタイムで相談・解決できること。それが心強かった。
―さっきの話にもあったね。確かに一人でクヨクヨしなくて済む。そういう意味では、ルームシェアにはストレスを軽減してくれる面もあると言えるね。
体調が悪い時も助かった。
オレがぎっくり腰になった時、倒れ込んだままもう身動きがとれなくなって。同居人を呼んで、着替えとかを手伝ってもらったのね。あれは一人暮らしだったら救急車呼ぶしかなかっただろうな…。
基本的には人の世話をするほうが多かったけど。
―それは分かる気がする。
それに、交友関係が広がったのも良かった。誰かが連れてきた友だちと仲良くなるし、みんなで酒飲んだりゲームしたりして、楽しかったな。
早めに決めよう!ルームシェアをする際のルール
―家事の分担はどうしてた? 特に掃除は気になる。
風呂とトイレの掃除は当番制。キッチンは使った人がきれいにしておくルールで、それぞれの部屋はもちろん各自。
炊事・洗濯も各自だね。
―そういうルールはシェアを始める時に、ちゃんと話し合って決めておかないとね。
他には何か決まりごとを作った?
うん。一つ、大事な“取り決め”があった。
自分の彼女を泊めたくて相手に留守にしてほしいなら、1,000円渡して出て行ってもらう(笑)
―(笑) 八幡君、総額いくら払ったの?
ゼロ!
―そうか~!
受け取ったのもゼロだよ。けっきょく誰かの彼女が遊びに来ても、普通に紹介して一緒にごはん食べたりしてた。
―それなら良かった(笑)
ところで、同居のルールで一番守らないといけないのはお金に関することだと思うんだけど、どんな決まりがあった?
水・光熱費、ネット、NHKの受信料などは全て偏りなく折半。その時くらいしか顔を合わせない月もあったな。
―そうなんだ?直接現金でやり取りしていたんだね。
洗剤とかトイレットペーパーとかの生活用品代は?
それはないのに気付いたほうが買い物して補充しておくのが暗黙のルールだった。
オレたちは幸いそれで不公平感を覚えたことはないけれど、気になる人はあらかじめ財布や口座を共有してレシートを管理するといいよね。
お金に関することはシェア開始時にきっちり決めて、とにかく厳守するのが大事。
八幡君にはまだまだためになるお話を聴けたので、次回に続きます。
シェア物件の選び方、ルームシェアに向いている人と向いていない人、初心者へのアドバイスなどを聞きました。
お楽しみに!