ミチカの引越し人生〜旅するようにおひっこし

特技は物件探し!18回の引越し経験者が綴るリアル引越しライフ

まさかのハネムーン前夜!突然の転勤は三重苦!鮮烈転妻デビュー

      2016/04/30

 

転勤も繰り返すうちに慣れてくる…と言うか諦めが先に立つようになるが、新婚当時初めて異動が決まった時は、あまりに情け容赦ないタイミングに愕然とした。

今だから笑えるが、笑いながらもまだ心が痛む。

今回はそんな、思い出したくもない転妻デビュー時の衝撃を書いてみようと思う。
書くと決めた時点でもう切ないけど…読んで頂けたら幸いだ。

 

なぜこのタイミング!?転妻がしてはいけない仕事

新婚当時、主人はまだ二十代。
「元気いっぱいあちこち異動して、いろーんな仕事を覚えてね☆」
というのが会社のスタンスである(違うとは言わせない)。

それにしても内示を出すタイミングというものがある。
事件はまさに新婚ほやほや、入籍一ヵ月後に何の前触れもなく起きた。

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当時私は家庭教師の仕事をしていた。
今となっては転妻がやるべきではない仕事だと身をもって分かるが、まさかあんなタイミングで内示が出るとは思わなかったのだ。

どんなタイミングか?

思い出すだに辛くなる、各生徒の保護者と契約更新を行ってたった二週間後、すなわち4月14日である。

家庭教師は基本的に一年ごとに契約を延長する。
時期はもちろん新年度に切り替わる時。

当時私が教えていたのは不登校の男子中学生と帰国子女の女子高校生。
正直、そう簡単に代わりは見つからない。
仮に見つかるとしても、だからと言っていつ辞めてもいいってもんでもない。

授業後に話を切り出し謝罪すると、男子中学生のお母さんは
「先生が悪い訳でもないし、責めるのはお門違いだって分かっています。
でもショックで悲しくてどうしたらいいか分かりません。
やっと息子が信頼する先生に出会えたのに…」
と言ってさめざめと泣いた。

生徒は泣くのを堪え、歯を食いしばって宙を睨んでいるし、私も正直泣きたかった。
自分が家庭教師を仕事に選んだばかりに、生徒も保護者も裏切るような形になってしまったのだ。
塾やら家庭教師やら英会話やら、諸々の講師歴で最もつらい出来事であった(以来、未成年に教えるのはきっぱり辞めた)。

それにしても他の皆さんと同じように3月に内示が出ていたら、せめて区切りよくお別れができたのに…と思ってしまう。
会社は妻の事情など知ったこっちゃないのは解っていたが、まさか新年度開始から二週間で前触れなく異動とは思いもよらず、当時の自分は甘かったと言わざるを得ない。

年度を無事に越したからと言って安心してはいけない。

そう新婚一ヵ月で肝に銘じることとなった。

 

まるで漫画!?異動を言い渡されたタイミング

さてこの時の悲劇はこれだけではない。

先ほど「最悪のタイミング」と書いたが、仕事面においてだけではなく、プライベート面でもまたこの上なく嫌なタイミングだった。

なぜか。

主人が上司に転勤の話を聞かされたのが、新婚旅行に発つ前夜だったのだ。

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ウキウキで荷造りをしているところへ帰ってきた主人の顔、その白さは異常であった。

ヨロヨロと生気なく家に上がると「話があるんだけど…」と消え入りそうな声で言った。

「ごめん、転勤だって…」

バッタン、とその場で倒れそうな主人。
家庭教師の契約を更新したばかりなのももちろん知っている。

翌朝には南の島にハネムーンに旅立つと言うのに、まるでお通夜のような我が家であった。

帰国したら家探しと引越し準備と各家庭への謝罪周りか…
そう思うと、新婚旅行中もため息を堪えるのに一苦労であった。

 

おまけ

実は、この時の辞令のタイミングに泣いた理由はもう一つある。

当時住んでいたマンション、入籍を機に半年前に引っ越したばかりだったのだ。

新婚生活を始めるんだからと張り切って探して、やっと見つけた理想の物件。
「このマンションは春と夏が素晴らしいわ(景観が)!」と秋に入居した物件。

春の訪れと共に、良い季節を住むことなく去る羽目になった。
新婚一年で二度の引越しである。

 

何とも切ない三重苦の転妻デビュー体験。

デビューがイロイロ衝撃だったおかげで、たとえ今夜海外異動を言い渡されても真顔で「ふーん」と答える自信がある。

転妻はこうして逞しくなっていくのだなあ。

 

 - 転妻・悲喜こもごも

メトホルミン